ラマダン月 - 女性達のつらい仕事

平成27年7月1日

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【参考写真:調理中の当館トゥンカラ職員】
 

【Les ECHOS紙 2015年7月1日 3面】


  • 聖なるラマダン月、女性達には断食遂行のための重要な役割がある。台所に立ち、市場に出かけ、その他の用事に追われ、彼女達は重労働の家事をこなしながらラマダン月を支えている。
 
女性達は断食をする家族のために多くの家事を同時にこなす。聖なるラマダン月の間、彼女達の一日は長い。誰よりも早く起き誰よりも遅く寝、睡眠時間はほんの少しである。
 
主婦のカミッソコ・サリマタさんはこう語る「私は朝2時半に起き、断食者の夜明け前の食事の準備を始める。すべての準備が終わると、断食者を4時頃起こし、他の家事を続ける。食事のあとは粟を洗い、日暮れ後の軽食用の粥の準備をし皿を洗う。8時頃には市場に行き、断食後の食事のための調味料を買いに行く。市場から戻ると高齢のため断食をしていない義理の父親のための食事の準備をする。その後家の掃き掃除、皿洗いやちょっとした家事をしながら数時間休む。15時頃になったら粥、米、ハーブティー、ショウガジュースを準備するためにまた台所に戻る。その他にもお祈りに行く前の家族に食べさせる軽食の準備を毎日しなければならない。」
 
このとても忙しい日々にもかかわらず、カミッソコさんは自身も断食を行い夜のお祈りに出かける。4人の子供を持つ家庭の母であるこの女性は、これらの努力を神からの祝福を受けるために行っている。さらに彼女は、家庭での苦労を受け入れた女性の子供は将来恩恵を授かるものである、と付け加えた。
 
太古の昔から、女性は家族の幸せのために誰よりも苦労をしてきた。カミッソコさんは家庭に従順であった彼女の祖母や母にならって、疲労のダメージに耐えている。
 
「女性は良い妻、よい母、よい市民であるための義務を成し遂げるために目標を定めなければならない」これは経営者であるシディベ・ファトウマタ・トラオレさんの発言である。
 
彼女はさらに「私は断食前の食事を温めるために朝4時に起床し、そのまま家事をして子供の世話をする。7時半頃に職場へ向かい、だいたい15時半頃に職場を後にする。帰宅後は断食後の食事の料理をし、その後続けて夜明け前の食事の準備にとりかかる。」と続けた。シディベさんによれば、私たちの国では、女性だけが家事を行うものと考えられているという。
 
ラマダン月の間は、日の出から日の入りまで、家事は終わることがない。「私は自分のためのほんの少しの時間も持てない。なぜならたったひとりで自分の仕事をこなさなければならないから。休日となるはずの週末は一週間分の買い物をして終わってしまう。もし家事補助者を雇うことができれば少しは楽だろうけれど、そんなことはめったにできない。」
 
シディベさんもカミッソコさんと同じく妻としての義務を遂行することによって、神の祝福を受けることを望んでいる。暑さや雨、懐事情の厳しさにもかかわらず、女性達は家族全員の喜びを守っている。

Mariam COULIBARY
 

(注)今年のマリでのラマダンは6月18日~7月16日の予定で行われています。