第二回 Sériba KONAREさん(日本留学経験者)

平成27年8月26日

Sériba KONAREさん



1) 自己紹介をしてください。
私は、セリバ・コナレと言います。 マリ人、33歳、森林科学博士です。博士の学位は、日本の愛媛県松山市にある愛媛大学で取得しました。日本には、2008年4月から2014年3月まで6年間住んでいました。


2) どうして日本に留学しようと思ったのですか?
日本の教育制度は、マリや世界で高い評価を受けているので、日本に行って勉強したいと考えていました。マリでは良く、日本の教育の素晴らしさについて報道されるんですよ。


3) 日本に留学する前の日本のイメージは?実際の日本はどうでしたか?
報道やマンガ、ドキュメンタリー、映画を通じて日本についての知識を得たんですが、私は良いイメージを持っていました。
私が日本に着いた時の第一印象は、町が清潔だということでした。また、日本人は物静かで他者を尊重する人々であるという印象も受けました。マリでは、バスなどの公共交通機関の乗客は、乗ってる間中ずっと賑やかに話をするんですが、日本は全く逆でしたね。


4) 日本での大学院(研究)生活はどうでしたか ?どんなことを研究したのですか?
日本での研究生活は、とても変化に富んだものでした。
日本政府は、良い研究環境を作り出すため、十分な支援をしていると感じました。日本の研究室の設備は非常に良く整備されていて、教授達も学生を熱心に指導していました。また、日本が世界中の大学と連携しているおかげで、日本の学生は、国際的な名声を得ている研究者と出会う機会にも恵まれていますね。
日本で私は、森林資源の持続的な管理という分野で研究を行いました。より具体的には、マリにおける貧困と薪利用の関係性について分析しました。


5) 日本の生活・習慣で驚いたこと、日本の好きな食べ物、場所等はありますか?
日本で最も衝撃的だったのは、公衆浴場ですね。私にとって、赤の他人と一緒に風呂に入るなんて考えられないことだったので、とても奇妙に感じました。
日本で大変だったことは、言葉です。私は全ての漢字を知っているわけではなかったので、何か書類等を読むときには、いつも日本の友人を介して説明してもらわなければならなかったんです。それから、海外経験のある方は共感してくれると思いますが、やっぱり母国マリが恋しくなりました。
日本食はとてもおいしかったです。私のお気に入りは、寒い時期に毎日のように食べていた学食のうどんです。寿司や刺身もよく食べましたよ。それから、一度だけ札幌で食べたイクラは本当に最高でした!


6) 日本ならではの体験(温泉・花見・雪など)をしましたか?日本人の友人との面白いエピソードはありますか?
日本にいる間、松山城の道後公園で何回か花見をしました。それから北海道に行ったときに雪を見ました。雪を見たのはそれが初めて、2008年のことでした。
私たちの研究室では、いつも面白いことが起こっていましたよ。私がまだまだ日本語が少ししか分からなかった時、私はよく似ている単語を間違えました。ある時、研究室のジュニア研究員の発表会がありました。そこでオガキさんという男性が発表したんです。彼が発表を終えた後、私は思わずみんなの前でこう言ったんです。「あなたの名前は私にとってとても覚えやすい。なぜなら“オキガキサン”というのが、バンバラ語で大きな楽器という意味だから。あなたの名前を聞いたとたん、ギターが弾きたくなったよ!」って。それを聞いた会場のみんなが大笑いしていました。その日から、私とオガキさんはとても仲良くなったんですよ。


7) どうやって日本語を勉強しましたか?
日本に到着してすぐ、愛媛大学で日本語の集中講座を受講し始めました。この大学には、とても良い日本語学習センターがあるんです。私が初めて受講した日本語の授業は、とても面白いものでした。わたしは「おはようございます」という単純な言葉が全く発音できなかったんです!


8) 日本とマリの共通点はありますか?
日本とマリは文化的に似通っているところがあると思います。日本では、毎年10月7日に米の収穫祭がありました。マリにも同じような祭りがあるんです。毎年収穫が終わると、仮面をつけたダンスなどをして収穫を祝うお祭りをするんですよ。


9) 日本の国費留学制度をどう思いますか?
とても素晴らしい制度だと思います。給付額も、良い環境で研究するのに十分です。個人的には、マリの留学生枠がもっと拡大されるとうれしいですね。


10) 学生へのメッセージをお願いします。
マリの学生には、もし、海外留学のチャンスがあったら、日本の大学を選んで欲しいです。日本の学生に対しては、是非、アフリカの経験を得られるようなプログラムに積極的に参加して欲しいです。


11) 将来の目標はありますか?
私は今、バマコの大学で教員をしていますが、マリと日本の協力関係において、何か役に立ちたいと考えています。特に、教育と貧困対策に関して、何かできればと思います。
 

 日本留学時の写真

日本留学時の写真

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日本留学時の写真